【再掲】2017年に後輩から取材を受けた!!

th_ろくろ回し

2017年10月に後輩の田中くんが取材に来た記事を再掲!
この頃から、こんなこと言ってたんやなぁとしみじみ!
今ならもっと多くの店を食べ尽くしてるので最高の接待ができます!1

「政治家か起業」

インタビューの最後。

今後の目標についてお聞きした私に対し、小松先輩はまじめな顔でそう答えました。

--先輩と出会ったのは、高校生の頃。

当時私は、小学生までを対象とした地元のサッカー少年団で、卒業生として「指導員のアルバイト」をしていました。

指導員に年齢の上限は無く、卒業生であれば誰でもウェルカムな、和気あいあいとした雰囲気を持ったクラブチームだったので、メンバーは私のように少年団を一度卒業した後でも部活やサークルなどでサッカーを続けている、高校生や大学生が大半を占めていました。

ただ、指導といっても実際にコーチングをするのは資格をもった監督や子供の父親です。

なので学生の私たちは、小学生に混じってその人たちのサポート役として動くことが大半でした。

それでも小学生の子供と一緒になってボールを追いかけまわすのは単純に楽しかったですし、ときに勉強になったりすることもあったので、それで充分に満足していました。

その中で私の5つ上の先輩にあたるのが小松先輩でした。

「取材受けて頂けませんか?」

先日、10月に入ってすぐの話です。先輩と連絡をとるのは実に二ヶ月ぶりでした。

小松「突然やなおい!」

当然ともいえる突っ込みをもらいつつ、事情をかいつまんで説明します。

「実は以前ちょろっとお話しましたが、半年前に会社を退職しまして、現在はフリーライターとして活動中です。先輩のお仕事に興味があるので、色々とインタビューさせて下さい」

小松「俺の仕事って・・・・・・福知山観光協会についてか?そんなん聞いてどうすんの?」

「記事にさせて頂きます。今はライターとして“地域に埋もれている魅力を発信する”という名目で活動しているのですが、先輩が何かしらそこと関係ある活動をされているのではないかと思いまして。

もちろん、福知山の宣伝もさせて頂きますよ」

小松「なるほどね。突っ込みどころ満載やけど、まぁ俺でよければ構わんよ」

「ありがとうございます!」

小松「面白く書いてくれよな!」

こんな感じで、事前に話をさせていただきました。

--そして、取材当日。行って参りました福知山。

駅前の駐輪場に乗ってきたオートバイを停め、仕事終わりの先輩と合流します。車で迎えに来てくれたので、そのまま助手席に乗り込むかたちで、久しぶりの再会を果たします。

お疲れさまです!!

小松「うす!! 久しぶり!! ・・・・・・っていっても、この前の「ドッコイセ祭り」以来か!!」

そうですね。あのときは本当お世話になりました。

--約2ヶ月前。8月の中頃に、福知山市内で行われた「福知山ドッコイセ祭り」で、先輩と私は数年ぶりに再会しました。「Facebook」で先輩が告知をしたお祭りの記事に、私が食いついたのです。

突然のコンタクトにもかかわらず、先輩はそんな様子を少しも気にすることなく、以前と同じように接してくれました。

しかも「浴衣を持っていません」という私に対して、わざわざ奥さんの実家から男モノの浴衣を借りてきて下さり、帰り際には 「夜遅いだろうから泊まっていけば?」 と、寝床まで確保してくれる好待遇。

そのまま流れでご飯までご馳走になり、まるで殿かと至れり尽くせりの接待に、申し訳ない気持ちが若干尾を引いている状態での再会でした。

けれどもやはり、先輩はいつもの先輩のまま、変わりありませんでした。

テンションがやけに高く、勢いが凄い。熱量の差を感じました。

どうやら気にしているのは私だけのようです。

小松「・・・・・・で、「取材」やっけ?いきなりどうしてん!祭りのときはそんなん言ってへんかったやん!」

はい。やっと「やりたいコト」の方針が固まりました。その第一段階として小松君、私の取材を受けて下さい。

小松「ちょいちょいちょい!! 待たんかい!! よう分からん。意味が分からん。」

あのですね、話すと少し長くなるのですが・・・・・・

小松「ほなええ!! もうええわ!! とりあえずメシ!! メシ行こ!! そこでゆっくり聞かせてもらうわ。」

はい・・・・・・すみません。

(あれ?俺がインタビューするんじゃなかったっけ?)

小松君の勢いに、当初の目的を忘れそうになります。

とりあえず取材の話は置いておくことにして、近くでゆっくり晩ご飯が食べられる場所を探します。

小松「何食べたい?」

このあたりって、何が有名なんですか。

小松「なんやろ。焼き肉・・・・・・とか?」

肉!! 良いですね。でも福知山って肉のイメージあんまり無いんですけど・・・・・・加工場も見当たりませんし・・・・・・

小松「こうみえて昔は「西日本三大家畜市場」のひとつとして数えられててんぞ。このあたり一体はその名残で焼き肉屋が多いな 。」

だったら間違いないですね。・・・・・・肉で。肉でお願いします!

「google map」で評判の良いお店を調べ、駅から10分ほどの所に決めました。

店内へ入り、お席へと案内されます。一番奥の掘りごたつ。店内は私たち以外にほとんどお客さんはいませんでした。

一通り注文をすませた後、先に飲み物が届いたので乾杯します。

小松「・・・・・・それで、インタビューの内容はなんやって?早いこと終わらそ!肉来る前に終わらそ!」

いや、それはさすがに無理ですよ。それくらいならメールで良いじゃないですか(笑)

小松「まあそやな。とりあえず簡単に説明して。分かりやすくな。端的に」

そうですね・・・・・・。まあ正直言いますと、実はお仕事のお話はそこまで興味ないんです(笑) 先輩について知りたいので、そこの所を深く教えて下さい 。

小松「何やねんそれ(笑)!! 気持ち悪いな。」

ああ、いや、誤解しないで下さい。先輩のこれまでの人生について・・・・・・「人生観」のようなものを教えて頂きたいんです 。

 小松「そんなお前、また難しいこと言って・・・・・・」

目の前で笑う先輩を前に、どう返したら良いのか若干戸惑います。なぜならこれは本心から出た言葉そのものでした。

しかしこう端的に言ってしまうと、すごく安っぽい言葉のように聞こえてしまうのもまた事実です。
理由を述べる他ありません。

すみません。ただ、わりと本気な話なんです。小松君がこれまで「どう生きてきたか」を教えて欲しいんです。そういうのを今、追求しているところなんです 。

小松「ほう 。」

先ほど少しお話しましたが、私には今後の人生における「プラン」というものがありまして・・・・・・

小松「・・・・・・ちょっと待て!!」

何ですか 。

小松「その「わたし」ってなんなん。わたしって!! まじめか!!」

あ~いや、これはその・・・・・・すみません。普段から色んな年齢層の人と会うんですけど、そのたびに使い分けてたらテンポ良く話せなくなるんで統一してるんです。「俺」とか「僕」っていうのもあんまりしっくりこないんで・・・・・・。

小松「クセあるなぁ~。まあええんやけど(笑)
・・・・・・で、プランやっけ?」

はい。今後の人生設計のようなものなのですが・・・・・・ざっくりいうといま「人間学」のようなものを追究しているところです。生き方の探求とでも言いましょうか。
なので、小松君という人がこれまで何を思ってきて、普段どう考えて過ごされていて、今後どうしていきたいのかを教えて下さい。
・・・・・・あの、仕事の話、されたいですか 。

小松「いらんいらん!! そんなんいらん!! そういうのは普段広報の仕事で充分やらしてもらってるからいいわ。」

では、そういう感じでお願いします 。

そうこう話をしているうちに、肉がやってきました。
th_肉

うまそう。すかさずトングを持とうとすると、お声がかかります。

小松「いや、お前はいいから。取材すんのやろ。俺が焼くから質問しいや」

ありがとうございます。ただ、先食べてからでも良いですか。メモ取るんで食べながらだとできないんです 。

小松「そういうことね。ほな、食べよう!! 先食べよ!!」

すみません。食べ終わるまでは雑談タイムということでお願いします。
・・・・・・ではとりあえず、これまでの経歴についてお聞きしても宜しいですか。小松君が福知山観光協会で働くまでの間を私まだよく把握してないので、どこで何をされていたのか、時系列で教えて下さい 。

小松「はいよ」

肉を焼きながら先輩の話に耳を傾けます。

--私が先輩と同じだったのは、中学校まで。

その後先輩は、教師を目指し大学に進学します。就職活動をするも、「先生一本で生きる人生はおもしろくない」という考えで、社会人と教師の両方が経験できる専門学校の広報に就職。そこで四年間働いたのち、世界各国を巡る旅に出ます。

なぜ突然世界へ?

小松「偽善者やから。社会貢献大好きな人間やったから 」

・・・・・・。

常に笑われているので、その発言が本気か嘘か、なかなか読めません。

小松「初めて海外行ったときは衝撃受けたな。カルチャーショックっていうやつ。そういうのって、国内にいてももちろん感じられるんやろうけど、海外は違う。 “振れ幅”が半端じゃなかった」

それは「途上国の貧しさ」であるとか、「学生たちがおこすデモ活動」であるとか、国によって様々だったと言います。

日本国内ではあり得ないようないくつもの光景を海外で目の当たりにし、あらゆることに計り知れない衝撃を受けたとのこと。そして、色々な国を回るたびに、自分の「生き方」について自問自答するようになったそうです。

肉がなくなり、先輩はシメを注文。私はかばんからメモを取り出します。

現地でそのまま活動を続けようとは思わなかったんですか。NPO法人を立ち上げたり、住み込みで働こうとは考えなかったんですか。

小松「好きな人できたから」

え?

小松「日本に一時帰国して京丹波町の「地域おこし協力隊」で働いてたときに、今の奥さんと出会ってん。それでいったん、海外行くのは止めた」

そういうものなんですか。意外に単純というかあっけないというか。・・・・・・日本人なんですね 。

小松「ああ。結婚しようと思ったくらいやからな。思想が似ててん。考え方とか。そこに惹かれた。最終的にはその出会いがきっかけで、 「仕事が全てじゃない」って悟った かな」

その後、奥さんの地元である福知山へと移住し、観光協会に転職、現在に至ります。

聞けば聞くほど私とは全くスケールの違う、波瀾万丈な人生を歩まれてきた方でした。

今お話を聞いた感じでは、けっこうその場その場で柔軟に生きて来られた感じがするんですけど、当時将来に対する不安とか怖さみたいなものって、無かったんですか 。

小松「無かったな。いつもベストで動いてたから。今もそう。ベストの選択しかしてきてない。」

ベストの選択というのは 。

小松「根拠があったら何でも良いねん。迷ったらおもしろい方、真剣に考えた方に行けばいい。そうしたらその道は失敗にはならんやろ。「その人のベストがベスト」 やと、俺は思ってる」

「ベストがベスト」。・・・・・・おもしろい言葉ですね 。

小松「お前やって今まさにそうなんちゃうの。」

そうかもしれません。ただ、日本に戻ってきて、「奥さんのために京都市から福知山市に移住した」とおっしゃいましたが、お仕事を探すときに、なんで「観光協会」を選ばれたんですか。
他にも色々ありそうな気がしましたけど、それもベストな選択だったんですか 。

小松「結果的にな。
ただ日本に帰ってきて気になったんは、地元の人たちの控えめな姿勢。
「魅力なんて言えるほどのものは少ない」って一部の住民の人たちが言ってて、俺からすれば「いやいや、いっぱいあるから!! もっと発信していったらいいやん!! 」っていうのが多かった。
そこにもどかしさみたいなんは感じてたかな 。」

世界知ったあとだから余計、敏感になっていたんでしょうね 。

小松「こういう市の広報の仕事って、俺みたいな「よそ者」の立場じゃないとできないことってあると思うねん。
思うに、地方の問題って「肩こり」に似てんねんな」

肩こりですか・・・・・・ 。

小松「そう。治すには内部からじゃなくて、外からの刺激がある程度必要。
例えば何か身体に良いものを食べたとしても治らん。地元の人たちだけではなかなか変えるのが難しい。
外から強く揉んだり、なにか刺激与えたりせんと良くならんへん。」

時間をかけても治らず、むしろ放っておけば衰退の一途を辿るしかないという意味では、肩こりよりも更にやっかいなものなのかもしれません。

やから今は、観光で外からちくちく突っついているところかな 。

針で福知山の肩こりを治す--。

福知山の鍼灸師(しんきゅうし)ですね。
将来、観光協会のお仕事以外でやりたいことってありますか。今のままで満足ですか 。

小松「不満はないよ(笑)けどやりたいことはいっぱいあるな」

例えば・・・・・・

小松「政治家か起業」

ここでようやく、冒頭の話に戻ります。

・・・・・・政治家って、また野心的ですね。国会議員ですか 。

小松「いや、地方議員」

福知山の議員ってことですね。地方にこだわる理由はどうしてですか 。

小松「奥さん好きやから(笑)」

それはお聞きしました(笑)お子さんも溺愛(できあい)されてますよね。羨ましいです。

小松「・・・・・・まぁまじめな話、今の仕事するようになって、市政の内情が数字で見えるようになってん。
それでもっとこうしたら良くなるんちゃうかな、って思う機会が多くなった。
それがきっかけで政治にも更に関心持つようになって。今関わらしてもらってる仕事に直結する意味での地方議員」

具体的に何か動かれてるんですか 。

小松「知り合いはいるかな。話もたまにしてる」

議員さんってことですか。出会えるものなんですね。どうやってコンタクト取られたんですか 。

小松「聴講会に顔出して直接話した。意気投合して、そのまま連絡先交換した」

どうやらフットワークの軽さは今も健在のようです。

今は観光で針さしてるけど--。

いずれは政治で、福知山全体にメスを--。

今後どこまで実現されるのか。現在の私には、とてもじゃないけれど想像できません。

よそ者だからこそできる、地域の人に魅力を再認識させる町おこし。

まさに 「Think glovaly act localy」を体現されているような方でした。

「世界規模で考えろ!!」

そのように勇気づけられ、たくさんの名言を頂けた一日でした。

【参考】

・福知山観光協会(公式サイト)
https://dokkoise.com/
・訪れたお店
 焼肉亭 かどや
https://yakinikutei-kadoya.com/index.php/tenpo/

ライター:Ichitaro Tanaka
th_最後

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